ここではプロジェクトマネジメントの基本についてまとめます。
プロジェクトとは?
プロジェクトとは、特定の目標や成果物を達成するために、一定期間内に行われる一連の計画された活動や作業のことです。プロジェクトは一時的であり、明確な開始点と終了点があります。
よく対比される仕事としてルーティーンワークがあります。ルーティーンワークは同じ作業を繰り返すのに対して一度きりの取り組みです。近年、VUCAの時代と言われ不確実性が高まっており、DXのトレンドもありどんどんプロジェクトワークが増加しています。
ルーティーンワークは作業プロセスが決まっているためどんどんデジタル(AI)に代替されていきますが、まったく同じ仕事ではないプロジェクトを進める仕事は代替されにくいといわれています。
プロジェクトマネジメントとは?
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを成功させるために計画を立て、実行、監視、制御をしながら完了まで導く取り組みです。
プロジェクトマネジメントというと難しい仕事で、それを行う人(プロジェクトマネージャー)はキラキラした仕事のようにも聞こえますが、プロジェクトには不確実性が高く計画通りにいかないことが多いため、非常に泥臭い面が多いです。「プロジェクトを何とかやりくりする」という言葉が個人的にはしっくりきます。
そのような状況でも成功されるためには、知識やスキル、経験が必要となってきます。
また、自分だけでプロジェクトを進めることはほぼなく、様々なスキルセットを持ったメンバーの力を借りてプロジェクトを進めるため、高いコミュニケーション能力や人間性も要求されます。
ただし何よりも重要なことは、どんな時でもあきらめないことだったりもします。
プロジェクトのライフサイクル
プロジェクトマネジメントは、以下の5つのフェーズに分けられます:
- 開始(Initiation)
- プロジェクトの目的や必要性を明確にし、初期のスコープを定義します。
- プロジェクト憲章(Project Charter)を作成し、利害関係者(Stakeholders)を特定します。
- 計画(Planning)
- 詳細なプロジェクト計画を作成し、スコープ、スケジュール、コスト、リソース、リスク管理計画を策定します。
- プロジェクトマネジメント計画書(Project Management Plan)を作成します。
- 実行(Execution)
- プロジェクト計画に基づき、実際の作業を行います。
- チームを編成し、必要なリソースを確保します。
- コントロール(Monitoring and Controlling)
- プロジェクトの進捗を監視し、計画と実績を比較します。
- 必要に応じて、計画を修正し、問題を解決します。
- 終結(Closing)
- プロジェクトの成果物を納品し、プロジェクトを正式に終了します。
- プロジェクトの成果とプロセスを評価し、教訓をまとめます。
プロジェクトマネジメントの知識エリア
プロジェクトマネジメントは以下の10の知識エリアに分かれています:
- 統合マネジメント(Integration Management)
- プロジェクト全体を統合し、一貫性を保つためのプロセス。
- スコープマネジメント(Scope Management)
- プロジェクトの範囲を定義し、管理するプロセス。
- スケジュールマネジメント(Schedule Management)
- プロジェクトのスケジュールを計画し、管理するプロセス。
- コストマネジメント(Cost Management)
- プロジェクトの予算を計画し、管理するプロセス。
- 品質マネジメント(Quality Management)
- プロジェクトの成果物の品質を確保するためのプロセス。
- 資源マネジメント(Resource Management)
- プロジェクトのリソース(人材、設備、材料など)を計画し、管理するプロセス。
- コミュニケーションマネジメント(Communication Management)
- プロジェクトの情報を適切に伝達するためのプロセス。
- リスクマネジメント(Risk Management)
- プロジェクトのリスクを識別し、分析し、対応策を策定するプロセス。
- 調達マネジメント(Procurement Management)
- プロジェクトに必要な外部の資源やサービスを調達するプロセス。
- ステークホルダーマネジメント(Stakeholder Management)
- プロジェクトに関与する利害関係者を管理し、関係を維持するプロセス。
プロジェクトマネジメントツールと技術
効果的なプロジェクトマネジメントには、さまざまなツールと技術が使用されます。以下にいくつかの例を挙げます:
- ガントチャート(Gantt Chart):プロジェクトスケジュールを視覚的に表現するためのツール。
- ネットワーク図(Network Diagram):プロジェクトタスクの依存関係を示す図。
- クリティカルパス法(Critical Path Method):プロジェクトの最長経路を特定し、スケジュールを最適化するための技法。
- リスクマトリックス(Risk Matrix):リスクの評価と管理のためのツール。
- ソフトウェアツール(例:Microsoft Project、Trello、JIRA):プロジェクト管理を効率化するためのデジタルツール。
まとめ
プロジェクトマネジメントの基本を理解し、実践することで、プロジェクトの成功率を高めることができます。
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